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唐入り(朝鮮出兵)の黒幕?でんでん演じる“黒衣の宰相”西笑承兌とは何者か【どうする家康】

唐入り(朝鮮出兵)の黒幕?でんでん演じる“黒衣の宰相”西笑承兌とは何者か【どうする家康】:2ページ目

朝鮮出兵に際しては李氏朝鮮に対する国書を起草、日朝の戦端を開く一助となりました。和睦交渉においては明の使者からもたらされた秀吉への冊封状(※)を読み上げ、秀吉を激怒させたエピソードも有名です。

(※)冊封とは中国大陸の皇帝(=世界の頂点)が辺境政権に対して現地支配のお墨付きを与えること。ここでは秀吉を「日本国王に任命してやる」との態度をとったため、見下された秀吉は激怒したのでした。

やがて慶長3年(1598年)に秀吉が世を去ると、西笑承兌は徳川家康(演:松本潤)と共に李氏朝鮮や明国との和平交渉に尽力します。このことから、何も積極的に大陸進出をしたかったのではなさそうです。

その後も家康の外交分野を担当し、慶長5年(1600年)には謀叛の疑いをかけられた会津の上杉景勝(すえすぎ かげかつ)との交渉に当たりました。

この時、上杉家老の直江兼続(なおえ かねつぐ)から送りつけられた書状が世に言う直江状。その挑発によって家康は会津征伐を決定、天下分け目の合戦が始まったと言われています(直江状については創作説もあるようです)。

西笑承兌が世を去ったのは慶長12年(1608年)12月27日。享年61歳の生涯に幕を下ろしたのでした。

終わりに

以上、西笑承兌の人生を駆け足で紹介してきました。果たしてNHK大河ドラマ「どうする家康」ではどのような描かれ方をするのでしょうか。

どんな人間も功罪あわせ持っているのは仕方ありませんが、彼の功績についてもスポットライトが当たり、魅力が伝わるような演出に期待しています。

※参考文献:

  • 上田正昭ら監修『日本人名大事典』講談社、2001年12月
  • 藤井讓治 編『織豊期主要人物居所集成』思文閣、2011年7月
 

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