徳川家康の終の棲家「駿府城」に伝わる「異形のモノ」と七不思議【後編】:2ページ目
駿府城内の七不思議とは
ある歴史書によると、江戸時代の駿府城には「肉人伝説」のほかにも「七不思議」と呼ばれる伝承があるそうです。
【1】米蔵の黒狐
家臣たちが追い払ったり対策をたてたり、いろいろと手段を講じてもいつも黒狐が米蔵に忍び込んできて困った。
【2】鳴かず蛙
お堀に生息している蛙の鳴き声がうるさくて閉口していた家康公。家臣たちは苦労をして蛙退治をしたものの、家康公には「家康公の一喝の声で蛙が静かになりました」と告げていた。
【3】葵の鈴虫(お城の鈴虫)
駿府城の鈴虫は、美声だと評判が高かったので、風流を好む好事家のなかには、その鈴虫を捕まえようと城に忍びこんでは捕まり牢に入れられていた。それを知った鈴虫は可哀想だと鳴くのをやめたが、彼らが釈放されると再びその美声を聞かせてくれるようになった。
【4】実割り梅
駿府城には、実がたやすく割れる「実割り梅」という不思議な梅があった。
家康自身が手入れをし、実がなったら収穫して梅干しを作り久能山東照宮に奉納する習慣があった。(明治時代にこの梅は久能山東照宮に移植)
【5】ゆかず雪隠
腰元と足軽が場内の雪隠で逢い引きしているところに出くわした別の腰元が驚いて失神。腰元は「二匹の黒狐を雪隠で見た」と言ったためにその噂が広まった。
【6】枯れずの井戸
日照りが続いても城内の井戸は決して枯れることなく水をたたえていた。
【7】朝顔の謡
駿府城内で朝顔のことを謡うと悪いことが起きるので、禁止になった。
駿府城内の石垣の印
七不思議以外にも、駿府城には石垣に刻まれたいろいろな(一説には135種あるとか)の「刻印」があります。これは築城の課目を命じられた大名や石工が刻んだといわれていますが、必ずしもそうではないものもあるという研究家の説も。また、石垣にはハート型の石も!また、次の機会にご紹介したいと思います。
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