最初は謎に包まれていた!?人気のシフォンケーキが日本で発展していった経緯をたどる:2ページ目
日本に紹介される
さて、そんなシフォンケーキが日本でも普及する大きなきっかけになったのは、愛知県で洋菓子の製造販売を手がけている株式会社フレイバーユージの代表者・岩田有司氏です。
彼はカリフォルニアでのホームステイ中にシフォンケーキのレシピを入手し、それを日本人の口に合うように改良します。そしてオリジナルレシピとして紹介・販売したことで、たちまち日本でも大人気となったのです。
大げさな話ではなく、私たちが現在、おいしいシフォンケーキを作ったり食べたりすることができるのは、この岩田氏のおかげだと言ってもいいでしょう。
さて、次にアメリカと日本のシフォンケーキの違いを見ていきましょう。シフォンケーキ自体は大変シンプルなので、本場のアメリカではさまざまなトッピングやデコレーションがされています。
例えば、トッピングとして人気なのはフルーツやクリーム、チョコレートなどです。また外側にクリームを塗らずに、中身が見えるようにデコレーションするネイキッドケーキ風のデコレーションを好む人も多いようです。
では日本はどうでしょうか。
米粉や抹茶なども使われる
日本でも、有名専門店のものを始めとする個性豊かなシフォンケーキがたくさん販売されています。特に日本の場合は、本場であるアメリカよりもポピュラーな洋菓子だと言えるでしょう。
国産米粉100%のシフォンケーキ専門店では、お米のもつ独特な甘みと、もっちりフワフワとした食感が特徴的なものを作っていることがあります。
また消費者の健康志向を受けて、添加物を極力使わずに作った体に優しいシフォンケーキなども独特のものです。他にも、生地に刻んだ果物やクルミなどを加えたり、水の代わりに紅茶や抹茶、ジュースを用いたりするという作り方もあります。
もともとシフォンケーキはシンプルで体にも負担がかからないので、必要に応じてトッピングやデコレーションをどこまで工夫できるかが勝負とも言えるでしょう。アメリカ発のこのケーキは、いわばこうした「勝負」をくぐり抜けて、日本でも発展してきたのです。
参考資料