クロワッサンはいかにして日本にもたらされた?人気パンの歴史を紐解く:3ページ目
日本のクロワッサンの特徴は?
さて、フランスから輸入されたクロワッサンのレシピですが、本場の作り方がそのまま取り入れられているわけではなく、海外のものと日本のものとでは違いもあります。
まず、フランスで作られるクロワッサンには菱形のものと三日月形のものがあります。どちらの形状にするかは、使用している油脂によって決まり、バターなら菱形、マーガリンなら三日月形となります。
フランスでは伝統的なパン屋でも三日月形と菱形を並べて売っていますが、特に菱形のものは「クロワッサン・オ・ブールcroissantaubeurre(バターのクロワッサン)」と呼ばれ、カフェなどの朝食用に置かれていることが多いです。
一方、日本のクロワッサンには甘い物が多く見られます。例えば、中に生クリームやカスタードクリーム、ジャムなどの詰め物をするというアレンジが挙げられます。
また、焼き上げる前にチョコレートやアーモンドを練りこむという作り方もあり、特にチョコレートを包んだクロワッサンはパン・オ・ショコラとも呼ばれています。
いずれもフランスの伝統的なベーカリーでは見られないアレンジですが、現在はフランス・イタリア・ドイツでもクリーム入りのものが多く見られ、クロワッサンの可能性は今なお広がっていると言えるでしょう。
参考資料:食べログマガジン