邪道と呼ばれた日もあった。日本に「クレープ文化」が根付くまでの歴史を辿る:2ページ目
日本の「二大クレープショップ」の登場
さて、フランスではこのようにかなり昔からガレットあるいはクレープとして知られていたレシピですが、日本で食べられるようになったのは比較的最近のことです。
1976年、日本に最初のクレープ専門店をオープンさせ、いわばクレープ文化とでも言えるものの土台を築いたのは、皆さんもご存じのマリオンクレープです。
1977年に原宿の竹下通りに店舗がオープンすると、クレープ片手に原宿でショッピングすることが若者たちのトレンドとなり、それまで一般的な食べ物ではなかったこの洋菓子が一気に広まったのです。
マリオンクレープでは、最初の店舗がオープンした時点で、すでに「紙で巻いて気軽に食べ歩きできる」現在のスタイルが確立されていました。
また、クレープの発展史を紐解く上で見逃せないのが、カフェ・クレープが1977年に竹下通りに出店したブルーベリーハウスです。
1979年のこと、ブルーベリーハウスでアイス最中をヒントにしてクレープにアイスクリームを入れてみたところ、これが大当たり。そこから生クリームやフルーツもバリエーションに加わり、日本式クレープとして定着していったのです。