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これぞシン・忠臣蔵!?討ち入り後の赤穂浪士が主君の墓前で果たした「儀式」とは

これぞシン・忠臣蔵!?討ち入り後の赤穂浪士が主君の墓前で果たした「儀式」とは:2ページ目

墓前での儀式

文書によると、浪士たちは亡き浅野内匠頭の墓前で一人ひとり名乗って奉告(神様などに謹んで告げること)を行っています。

彼らは脇差を抜くと、その柄を石塔に向けて置きました。それから、めいめい名乗ってから焼香し、脇差を手に取ると吉良の首に三度あてがう……という行為を繰り返したというのです。

つまり討ち入りを果たした浪士たちは、ただ単に吉良殺害を果たしたことを報告したのではなかったのです。彼らは、墓石を主君に見立てて、あたかも主君が吉良の首を取っているかのように演じたのでした。

この時に大石内蔵助が言った言葉も、文書にはきちんと記されており、磯田はその詳細な解読文も『日本史を暴く』に掲載しています。簡単にまとめると、彼は主君に対して「自ら手を下して恨みを晴らしてください」と述べたのだそうです。

討ち入りの真の目的

吉良邸への討ち入りを果たした後、浪士たちが泉岳寺に立ち寄った直後の行動については、今までほとんど分かっていませんでした。

かろうじて、当時の寺の僧だった人物の記録はあったのですが、その僧は墓前での儀式までは見ることができなかったのです。

発見された古文書によって明らかになったのは、実は大石内蔵助たちの討ち入りと吉良殺害は、それ自体が目的だったのではないということです。彼らは吉良の首を主君の墓前に運び、主君自ら恨みを晴らさせることを目的としていたのでした。

このことについて磯田は、同書の中で「今後書かれる忠臣蔵はラストシーンが変わってくるに違いない」と述べています。

参考資料
磯田道史『日本史を暴く』中公新書・2022年

 

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