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かつて日本では血が売られていた!?現在の献血制度の歴史をたどる

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赤十字血液センターの誕生

それでも民間の血液銀行に血液が供給されているのだから大丈夫だろうと思ってしまいますが、こちらにも大きな問題がありました。

民間の血液銀行で売血する人の中には生活困窮者が多くいて、中にはひと月に何度も血を売る人もいました(現在は一度献血すると2~4週間経たないと次の献血はできません)。

献血と献血の間は、適切な期間を空けないと、血液提供者の体調に悪影響を及ぼします。また赤血球が回復しないうちにまた献血してしまうことになるので、血液そのものの質が悪くなるのです。

質の悪い血液で輸血をすると、患者も肝炎などの重篤な副作用を引き起こすことがあります。こうした健康面・安全面での問題や、そもそも血を売るという行為の倫理面での問題も問われるようになり、政府は急いで血液事業に関する体制を整えていきました。

こうして開設されたのが赤十字血液センターで、これに伴って民間の血液銀行もどんどん減っていきました。最終的に、1990年には日本では売血は完全になくなります。

今でも、年配の人の中には献血に対してあまりいいイメージを持っていない人もいますが、実はこうした歴史的な経緯があったのです。

日本赤十字社は、その後も保存血液の安全性向上や、血液凝固因子製剤の製造、骨髄バンクとの協力事業を行うなど、精力的な事業展開を行っています。

参考資料
ブルーバックス – 講談社
公益財団法人献血供給事業団
日本赤十字社

 

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