108歳まで生きた徳川家康のブレーン!知識人・天海僧正の長寿の秘訣は?【前編】:2ページ目
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現代に通じる「食」の大切さ
今、粗食と言うと「粗末な食事」というイメージですが、天海が述べたのは素朴な食事、素のままに近い食事、つまり素食と言うべきものと考えられています。
素食というのは、新鮮かつ良質の食材を使った、味付けがあまり濃くない料理を指します。こうした料理がいかに身体にいいかは、少しでも食事健康法を調べたことがある人なら、すぐに理解できるでしょう。
当時は、もちろん現代のような栄養学の知識体系は存在していませんでしたが、僧侶としての生活の中で、食べ物と自分の体調の関係については、知識としても経験としても深く理解していたのでしょう。
ちなみに徳川家康も大変な健康オタクで、四季の食材や体を冷やさない調理法、薬の調合にまで自ら気を配っていたといいます。彼のこうした気質と、天海僧正の広範な知識は相性が良かったのでしょう。
【後編】では、天海僧正が特に好んで食べていたあの食材を解説します。
参考資料
永山久夫「賢食物語第12話 賢人たちの食術 「天海」と「納豆」」
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