「国葬」って何?戦前・戦後の違いとその歴史、これまで国葬で弔われてきた人たちをチェック!:2ページ目
吉田茂あるいは合同葬
戦後に唯一行われたケースである吉田茂の国葬は、内閣の閣議によって決まりました。
吉田茂は1967年10月20日に死去。家族によって行われた葬儀に続けて、同月31日に日本武道館で実施されています。
これは、当時の内閣総理大臣だった佐藤栄作の強い希望があったと言われています。彼は有名な吉田学校で池田勇人と並んで吉田から世話になっており、いわば師弟関係にありました。
また、造船疑獄の時には「指揮権発動」によって、吉田はいわば身を挺して佐藤を助けています。佐藤にとって吉田は、自らの政治家生命を賭して助けてくれた恩人でもあったのです。
しかしこれは極めて稀なケースであり、戦後の国葬に関しては基本的には行われないものと考えてよさそうです。