千と千尋の神隠しにも出ていた?雅楽の舞「蘇利古(そりこ)」の実に奇妙な面の謎【その1】:2ページ目
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蘇利古(そりこ)
上掲は『蘇利古』を舞う人の姿です。手には楚(すわえ)と呼ばれる細長くのびた枝を持っています。
舞楽では中国系を源とするものを左方の舞として左舞、朝鮮半島系を源とするものを右方の舞として右舞と呼びます。
『蘇利古』は雅楽右舞の“曲名”で、朝鮮半島系の流れをくむものです。
また「古事記」では、応神天皇の時代(270年頃)に百済人である須須許理(すすこり)が日本に来て、酒を造って之を献じたことが書かれており、須須許理が蘇利古(そりこ)と音が近いので、曲名はここに起こったのであろうと記されています。
そして古代の朝鮮において酒を醸造する時には、必ず先ず井戸と竈とを祀り、また舞を演じたので、竈祭舞(かまどまつりのまい)とも呼ぶと書かれています。
蘇利古の雑面
前掲の写真の雑面は『蘇利古』の雑面です。
詳しく見てみると、
このような図案になっています。
先にご紹介した『蘇利古』の絵では、雑面の黒い三角の部分は、舞う人が外が見えるように穴をあけてありますが、これが正式な蘇利古の雑面です。
これが人面を抽象化しただけのものなのでしょうか。それならば奇妙です。
例えば目は二本線の部分でしょうか?
そうだとするならば、その上の黒い三角形の部分は?その上の綾型を半分に重ねたような模様は何を意味するのでしょうか。
何も無いところからは、何も生まれません。この文様が生まれた理由が必ずあるはずと思い、一つずつ検証していきたいと思います。
千と千尋の神隠しにも出ていた?「蘇利古」の面の謎(その2)に続きます。
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