縁側で物思いに耽る比奈(演:堀田真由。姫の前)。その視線の先では、男の子が二人チャンバラごっこで遊んでいました。
「母上!」
「そうだ、えい!やあ!えい!」
「……二人とも、上手ね」
※NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第31回放送「諦めの悪い男」より
この子たちは、彼女と北条義時(演:小栗旬)の間に生まれた息子と思われます。上の子は後の北条朝時(ともとき。当時11歳)、下の子は北条重時(しげとき。当時6歳)。いつの間にか生まれていました。
劇中でも触れたように比奈の実家である比企一族が滅亡したため、彼女は義時と離縁し(あるいはさせられ)、子供たちとも生き別れになってしまいます。
今回は義時の元に残された兄弟の下の子・北条重時を紹介。果たしてどんな生涯を送ったのでしょうか。
不遇な少年時代
北条重時は建久9年(1198年)6月6日、義時の三男として誕生しました。正室・姫の前(比奈)との間に生まれた子としては次男となります。
比企の乱によって母と生き別れ、不遇の少年時代を過ごした重時。
例えば『吾妻鏡』には兄の朝時や(義時の後妻が生んだ)異母弟たちの元服式については記載されているのに、重時の元服式は記録がありません。
(側室の生んだ義時の四男・北条有時の記録もないので、同等の扱いだったと考えられます)
きっと「謀叛人の血を引く者」として、祝ってもらえるどころか白い目で見られていたのでしょう。
15歳となった建暦2年(1212年)には兄の朝時が女性スキャンダルを起こして義時に勘当されており、ますます肩身が狭かったろうことは察するに余りあります。
※北条朝時の生涯:
女性スキャンダルで勘当!?北条義時と比奈の子供「北条朝時」の生涯をたどる【鎌倉殿の13人】
愛妻・八重(演:新垣結衣)を喪った哀しみにひたる間もなく、次から次へと政務に追われる北条義時(演:小栗旬)。やがて正室(※)として比企一族の娘・比奈(演:堀田真由。姫の前)を迎えるのですが、彼…