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日本人は昔から縁起をかつぐ…「鎌倉殿の13人」に登場する大江広元の姓、祖先は「大枝」だったのになぜ変えた?

日本人は昔から縁起をかつぐ…「鎌倉殿の13人」に登場する大江広元の姓、祖先は「大枝」だったのになぜ変えた?

「そなたの活躍は素晴らしいものであるが、あまり枝(音人は分家でした)が大きすぎると、樹木の根幹(本家)が折れてしまって不吉である。一つ改めてはどうか」

畏れ多くも陛下の思し召しなれば……と承服した音人でしたが、この大枝の姓はこれまた畏れ多くも第50代・桓武天皇より延暦10年(791年)に賜った由緒あるもの。

その時の祖先は土師諸上(はじの もろがみ。音人の祖父)。大いに枝が栄えるように授かった姓を、全面的に変えてしまうのはちょっと忍びなく思いました。

「……よし!それでは読みをそのままにして、大『江』とするのはどうだ!」

確かに川(江)であればどれほど支流が大きくなっても本流と一体化する=共に栄えるので損なうことがありません。流れの下るにしたがって広がる様子が一族の明るい未来を象徴しています。

「ありがたき幸せ。これで我ら一族もますます栄えましょう!」

かくして音人は大枝から大江に改姓、広元まで代々受け継がれるのでした。

終わりに

その後、広元の子孫たちは各地に展開。戦国大名の毛利氏をはじめ三河の酒井氏、出羽の寒河江氏など末裔たちが活躍しています。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では第12回あたりで登場予定の大江広元、兄の中原親能(なかはらの ちかよし)ともども、活躍が楽しみですね!

※参考文献:

  • 佐藤謙三ら訳『読み下し 日本三代実録 下巻』戎光祥出版、2009年9月
  • 『NHK2022年大河ドラマ 鎌倉殿の13人 完全読本』産経新聞出版、2022年1月
 

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