夫が可哀想すぎ!日本三大悪女・日野富子の堂々すぎる不倫エピソード:2ページ目
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もう知らん!可哀想すぎる義政の愚痴
心なき あまもや今夜 人なみに
塩たれ衣 ほしにかすらん【意訳】まぁ、大した器量でもないロクデナシの私ですが、こんなに素敵な七夕ですから、潮に濡れた衣をお星さまにかける(干しに架す≒星に想いを懸ける)かも知れませんね。
(海に潜った海女のように、どういうわけか私も濡れているようなので……で、不倫がどうかしましたか?)
お星様のように輝かしい帝の寵愛は私のもの……まさに「勝者の余裕」なのでしょうか、目の前でこんなやりとりを聞かされた夫の義政は、ほとほとうんざりして、こう愚痴り(詠み)ます。
鵲の つばさにかけよ 七夕の
今よひ行あひ 天のはしだて【意訳】カササギよ、その翼でさっさと天の川に橋を架けて(橋を立てて)やってくれ。私はもう知らん、好きなだけ行き合う(イチャつく)がいい!
※鵲(カササギ)は七夕伝説で織姫と彦星が逢瀬を果たす橋をかける鳥とされています。
夫としての面目丸つぶれですが、たとえ征夷大将軍と言えど、相手が天皇陛下では流石に敵うはずもありません。
富子とは正反対に、とかく無欲で厭世的な印象の義政ですが、こういうエピソードの積み重ねによって性格が変わっていったのかも知れませんね。
※参考文献:
- 堀江宏樹ら『乙女の日本史』東京書籍、2009年7月
- 吉見周子 編『日野富子のすべて』新人物往来社、1994年8月
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