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若者相手に大ゲンカ…戦国大名・伊達政宗のなんとも大人げないエピソード

若者相手に大ゲンカ…戦国大名・伊達政宗のなんとも大人げないエピソード

「無礼者!」

思わぬ粗相や狼藉により、不興を覚えた者の口走るこのセリフ。

不興を買ってしまった者には、状況しだいで死刑宣告に聞こえる重さがある一方、第三者には「小物感」が伝わってしまう軽さもあります。

(そんな些細なことで、いちいち目くじら立てなくても……)

やはり大物であれば、ちっとやそっとの事で動揺したり、声を荒らげたりなどしないもの。

そんな美学は戦国時代の武士たちも同じだったようで、今回は独眼竜として有名な伊達政宗(だて まさむね)のこんなエピソードを紹介したいと思います。

そんな一撃、痛くも痒くもない!が……

今は昔、ある時のこと。政宗の屋敷へ旗本の兼松又七(かねまつ またしち)が見舞いにやって来たそうです。

「伊達公におかれましては、ますますご活躍と聞き及んでおりまする……」

「いやいやそれほどでも、ははは……」

と言ったかどうだか、他愛ない(特に内容を書き留めるほどでもない)雑談に花を咲かせ、さぁそろそろ帰ろうか……といったその時。

「……っ!」

いったい何を思ってか、又七は突如として政宗に跳びかかり、持っていた扇でその頬っ面を強打したと言います。

あまりに脈絡がなさすぎて、周囲の者はもちろんのこと、政宗自身も怒りよりも戸惑いを隠せません。

……が、ここでうろたえを見せてしまっては、天下の笑いものとなってしまうでしょう。政宗は平静を装って答えます。

「日ノ本に隠れなき英雄・この伊達政宗が頬をなでさするとは大した奴。不届きな振る舞いなれども、その度胸はきっと天下のお役に立つであろうぞ」

はーっはっはっは……わざとらしく豪快に笑い飛ばし、又七に褒美を与えて帰らせたそうです……が、その後。

「貴様ら!主君が目の前で打たれたと申すに、何もできずただ見ているばかりとは不届き千万!」

とのことで、側に控えていた小姓には切腹を申しつけたということです。言い分自体はもっともですが、又七を許した以上、小姓も赦しておかないと器量の狭さがバレてしまいます。

(また、いくら歓談中だったと言っても、不意に扇で顔面を打たれた当人の不覚も不覚です)

どうしても腹が癒えず切腹を申しつけるにしても、周囲から八つ当たりと思われない別の理由を用意すべきでした。

2ページ目 大人げなさすぎ!若者相手に大喧嘩

 

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