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神も仏も斬り殺せ!武士道のバイブル『葉隠』が伝える忠義の精神

神も仏も斬り殺せ!武士道のバイブル『葉隠』が伝える忠義の精神

主君への忠義以外はいらぬ!

六四 ……(前略)……地獄にも落ちよ、神罰にもあたれ、此方は主人に志立つるより外はいらぬなり。悪くすれば、神道の仏道のと云ひ、結構な打ち上つた道理に轉ぜらるゝものなり。仏神もこれをわろしとは、思召さるまじきとなり。
※『葉隠聞書』巻第二より

【意訳】地獄が何だ、天罰が何だ。鍋島武士たるもの、主君へご奉公する以外に一切の余念なかるべきぞ。やれ神道だの仏教だのと小賢しい理屈をこねるんじゃない。かくまで純然たる忠義なれば、仏様も神様も、悪くは思われるまいて。

「仏に逢(お)うたら仏を斬り、鬼に逢うたら鬼を殺せ」とは誰が言ったか、それが敵なら勝つこと以外、主君への奉公はあり得ません。

誰を味方につければ勝てるとか、敵に回したら負けるとか、そんな訳知り顔の理屈などいらないのです。

「勝つか負けるかじゃない。戦うか、逃げるかだ」

そんな鍋島武士たちの潔い気概は、現代の私たちにも奮起を促しているように感じられます。

※参考文献:
古川哲史ら校訂『葉隠 上』岩波文庫、2011年1月
古川哲史ら校訂『葉隠 下』岩波文庫、2011年6月

 

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