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借金でこそ解る男の度量!幕末維新を駆け抜けた後藤象二郎が井上馨を笑い飛ばしたエピソード

借金でこそ解る男の度量!幕末維新を駆け抜けた後藤象二郎が井上馨を笑い飛ばしたエピソード

借金でこそ解る男の度量?

伯(後藤象二郎)、曾て井上馨と汽車に同乗し、互に其抱負を語り合ひけるが、井上曰く、『吾れは數千萬圓の財を造つて見たし』と。伯聞きも敢へず、井上に謂つて曰く、『吾れは數億圓の借金がして見たし』と。

※大町芳衛『十人十色名物男』より

自分の資産であっても、借金であっても、巨額のおカネというものはとかくプレッシャーがかかりがちなもの。たくさん持っていれば盗まれないか心配だし、借金の憂鬱さは改めて話すまでもないでしょう。

そんなに借金を抱えたら、首が回らなくなってしまう……と思うのは凡人で、現代でも借金を苦に自殺してしまうのは数十万円からせいぜい数百万、数千万円程度だそうで、借金が億を超えてくると、却って度胸が据わってしまうのだとか。

(連帯責任で返済に追われる身内としては、たまったものではないでしょうが)

もちろん、億単位の資産を築き上げるのも凄いですが、兆単位の借金をこさえてしまうのは、それ以上に凄まじいもの。

「借金は男の試金石」とは誰が言ったか言わないか、プレッシャーをあえて引き受けてみたいなどと豪語する物好k……もとい心意気を持った志士たちが、明治日本を支えていったことを偲ばせるエピソードでした。

(実際の象二郎はそんな借金を作っていないので、ご安心下さい)

※参考文献:
大町芳衛『十人十色名物男』実業之日本社、1916年4月
中谷彰宏『お金で苦労する人 しない人』三笠書房、1998年6月

 

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