無理難題で過労死した武士も!ブラック企業ならぬブラック幕府のヤバすぎた闇:2ページ目
幕府の無理難題で過労死した江川英龍
黒船襲来によって危機感を感じた幕府は黒船対策として、下記のような対策を打ち出しました。
・銃砲政策&爆裂砲弾の研究開発 (防衛力の向上)
・台場の築造 (外国船を江戸湾へ入れないための砲台)
・反射炉の建設 (近代大砲の製造に不可欠な鉄の精錬設備)
・造船技術の向上&農民軍の組織 (黒船の防衛戦へ備えて)
そして経費削減のため、これらを、江川英龍「ただ1人」に任せました。
さらに、当時ロシアからもやってきていたプチャーチン一行への対応も英龍に任せていたと言いますから、相当な過労だったことでしょう。
しかし、この仕事量を押し付けられても諦めることなく真面目に向き合い続けた英龍は、1年足らずで台場の築造の半分を完成させたのでした。
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しかし、無理が祟り、完成までこぎつけずに翌年に亡くなってしまいます。きっと、寝る時間もなく長時間労働をし続けていたのでしょう。
反射炉の建設は、息子が引き継ぎ1857年に完成させていますが、こちらも過酷な労働であったことは想像に難しくありません。
これだけの仕事を英龍1人に押しつける幕府は、現代で言うところの「ブラック企業」ならぬ「ブラック幕府」といっても過言はないでしょう。
幕府は見てみぬふり
「参勤交代」で苦しむ地方大名のことや、英龍の仕事量について認知していたであろう幕府ですが、見てみぬふりをします。
江戸、そして江戸幕府繁栄に必要な犠牲と考え、経済効果アップを選択したのです。そのために、英龍のように頑張った人間が過労死し、多くの民が飢餓に苦しみました。
現代は「ブラック企業」に立ち向かえる
現代では、「ブラック企業」に対する措置方法や逃げるための手段がいくつかあります。1人で抱え込まず、周りに相談することで必ず力になってくれる人がいるはずです。
英龍のような被害者が、1人でも減ることを願っています。