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大河ドラマ「青天を衝け」に出てくる「中の家」「東の家」ってどういう意味?江戸時代の屋号を紹介

大河ドラマ「青天を衝け」に出てくる「中の家」「東の家」ってどういう意味?江戸時代の屋号を紹介

屋号から感じ取れる人々の思い

閑話休題。大河ドラマに話を戻すと、察するところ栄一たちのいる「中の家」が元からある本家で、その東側に宗助夫婦が分家を建てたから「東の家」、そして喜作夫婦が新たに「新屋敷」を建てた……と言った具合でしょう。

屋敷と呼ぶくらいですから、さぞや立派な家が建ったことでしょう。現代と違って住宅ローンなんてありませんから、立派な屋敷を建てられるだけの蓄えをなすべく、喜作夫婦が一生懸命に働いた賜物と言えそうです。

それまで「家」を建てるのが精いっぱいだった渋沢家が、みんなの努力によって少しずつ財をなし、とうとう「屋敷」を建てられるまでに発展した様子が目に浮かぶようですね。他の「中の家」「東の家」も、負けじと励んだことでしょう。

「そんな屋号なんて、ストーリーに大きく関係ないでしょう?」

確かにその通りなのですが、こういう細かいところにも意識がいくようになると、単なる家の位置関係や状態(新しいか、立派か)だけでなく、屋号に込められた一族の思いや主人公たちの人間関係が偲ばれ、大河ドラマを観る楽しみも深まっておすすめです。

※参考文献:
井戸田博史『「家」に探る苗字となまえ』雄山閣、1986年4月
大藤修『日本人の姓・苗字・名前 人名に刻まれた歴史』吉川弘文館、2012年9月
坂田聡『苗字と名前の歴史』吉川弘文館、2006年3月

※参考:登場人物|大河ドラマ「青天を衝け」|NHKオンライン

 

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