東京国立博物館でいよいよ特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」開催。見どころポイントは?【前編】:2ページ目
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鳥獣戯画の特徴
鳥獣戯画の特徴のひとつは、普通の絵巻物に当然のように見られる詞書きが全くないこと。そして白描画(はくびょうが)といって黒い墨のみで描かれていて、まったく彩色がなされていないため、色まで想像することができますよね。説明的でないがために見る人の想像を掻き立ててくれるというところが、鳥獣戯画の大きな特徴といえるでしょう。
甲巻の見どころ
甲巻はなんといってももっとも有名な巻。兎と猿が川の中で水遊びをしたり背中を流しあうのほほんとした光景からスタート。蓮の葉を的にして兎たちが弓を射たり、ご飯を運んで宴会の準備をしたり、兎が蛙を相撲で投げ飛ばしたり。兎が猿を追いかけるシーンはあまりにも有名ですよね。
蛙の阿弥陀如来の前で猿がお経をあげたりといった面白い姿は必見です。個性的なキャラクターに加え、背景には萩の花など秋の野花や植物がいたるところに見ることができますので、そういった背景の細かさにも注目です。
前述のとおり始めから終わりまで詞書きが全くないので、自分でストーリーを考えたりできるのも鳥獣戯画の魅力ですね。
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