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古代日本の「白色信仰」白い色は〇〇の色…?日本人と白色の浅からぬ関係

古代日本の「白色信仰」白い色は〇〇の色…?日本人と白色の浅からぬ関係:2ページ目

反対に「死」にまつわる不気味さも…

さて一方で、上記のような意味とは別に、白色には「死」「不気味さ」「虚無」などのイメージもあります。

これは、昔の人が骨の色から連想したのかも知れません。

例えば陰陽五行説では、白色は「秋」の色とされており、これは冷たさやほの白い印象を受けます。

「幽霊」の衣服も白衣というイメージが強いですね。

なんだか、先述したような、白色が持つ純粋さや明るさ、清らかさとは反対に、ずいぶんうそ寒い、縁起の悪いイメージです。

こうした「幽霊は白衣を着る」というイメージが定着したのは江戸時代以降と言われてますが、はっきりとは分かっていません。ただ、近松門左衛門作の時代物の三傑作とされる作品のひとつ『雲女五枚羽子板』では、侍女の幽霊が出るところで、以下のように描写しています。

塀の内より白鷺の飛ぶ如く、雪渦まいて提燈に、映ると斉しく女の姿、白衣白髪白妙の雪女とも謂いつべし

『雲女五枚羽子板』の初演は宝栄5(1708)年とされています。おそらく、この頃にはすでに「幽霊は白衣を着る」というイメージが一般的になっていたのでしょう。

「白色」には、吉兆としてのイメージと、不吉さを伴うイメージの二つの面があることが分かりました。まったく正反対で、とても興味深いことです。

そういえば私たちも、生まれた時には白い産着を着せられ、亡くなった時にも白装束を着せられますね。

吉と不吉、生と死……。日本人の人生とは、実は「白に始まり白に終わる」もののようです。

参考資料
長崎盛輝『色・彩飾の日本史 日本人はいかに色に生きてきたか』(平成2年、淡交社)

 

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