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紫式部の「式部」って何?現代も生き続ける律令制度の名残を紹介

紫式部の「式部」って何?現代も生き続ける律令制度の名残を紹介

現代も生き続ける律令制度の名残り

それから長い歳月が流れ、式部省は現代でも宮内庁の式部職(しきぶしょく)として存在しています。

宮内庁法によれば、その役職は(1)儀式に関すること(2)交際に関すること(3)雅楽に関すること(第7条)となっており、よく知られるところでは長良川の鵜飼いや新年の歌会始(うたかいはじめ)などを担当しているということです。

中央政府における人事と人材育成は他へ移管したものの、宮中儀礼に関する機能は律令時代から変わらず継承しているんですね。

ところで、ある議員秘書さんが「日本の政治家や政権はコロコロ変わるけど、官僚制度だけは律令時代から千年以上ずっと変わっていない」と言っていましたが、こういう名称も古くから伝わっているものがたくさんありますから、興味を持って見てみると面白いですよ。

※参考文献:
小口雅史 編『律令制と古代日本国家』同成社、2018年10月
阿部猛『教養の日本史 平安貴族の実像』東京堂出版、1993年3月
加藤友康 編『日本の時代史6 摂関政治と王朝文化』吉川弘文館、2002年11月

 

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