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夜這い対策にはコレが一番?男性のアレを××してしまう「今昔物語集」の秘術【上】

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ない!ない!家来たちのアレも次々と……

「一体どうしてこんな事に……」

布団の中でツルツルになってしまった股座(またぐら)をさすりながら、道範は途方に暮れます。

「しかしまぁ、嘆いていても始まらないから、とりあえず一人でも多く道連れ(?)にしてやろう!」

という事で、連れて来ていた八人の家来たちを一人ずつそそのかし、郡司の妻に夜這いをかけさせたところ、八人全員が股座をツルツルにされてしまったらしく、浮かない顔で帰って来ました。

「おや?事は不首尾に終わったのか?」

「いえ……何というか、その……(モジモジ)」

みんな心なしか内股で立ち去る様子を見ると、空恐ろしくなってきた道範は家来たちに支度を命じ、夜も明けない内から屋敷を出発します。

(アレがないと、馬の鞍も据わり心地がおかしいのぅ……)

などと思いながらしばらく行くと、郡司の召使いが馬で追い駆けて来ました。

「もうし方々!お待ち下され!」

まさか、夜這いのことがバレたのでは……肝を冷やした道範たちに、召使いは包みを渡します。

「お忘れ物にございまする」

開いた包みの中には、何と道範たちの失われたアレがごっそり九本。一体どういうことなのか、さっぱり意味が分かりません。

「皆様とてもお急ぎだったので、このような大切なものまでお忘れになってしまったのでしょう。どうか、お納め下され」

すると、包みの中にあったアレは忽然と姿を消し、次の瞬間、道範の股座には得も言われぬ安心感が戻って来ました。他の八人もそうであろう事が、表情から判ります。

「また都へお戻りの際には是非ともお立ち寄り下さるよう、主が申しておりました……しからばこれにて」

そう言うなり召使いは忽然と姿を消してしまいました。一体どういう事なんだ……まさに狐につままれたような思いで任務を果たした道範らは、再び郡司の屋敷を目指すのでした。

【下へ続く】

参考文献

 

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