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「昨夜その角で見かけたよ」……今でも街に妖怪の存在が息づく『遠野物語』の舞台【その2】

「昨夜その角で見かけたよ」……今でも街に妖怪の存在が息づく『遠野物語』の舞台【その2】

誤解から姉を殺してしまった妹

姉が芋を焼き、真ん中の部分を妹にあげたところ、妹は「姉が美味しい部分を食べたに違いない」と誤解し、憎くなり包丁で殺してしまった。

姉妹は、郭公(かっこう)と時鳥(ホトトギス)となり、今も山の中に生息しているというお話。

いなくなった男を探し鳥になっても鳴き続ける娘

寂しい声で鳴くオット鳥。実は、かつて娘が親しい男と山に行った際、男がいなくなり探しても見つからなくなってしまった。

娘は、男を探し続けているうちに、「オットー」という夫を求めるような悲しい鳴き声の鳥となって、今でも探しているというお話。

遠野物語は理不尽で切ないお話も多いのです。

柳田国男は、表面的には急速に近代化する世の中でも、人間が本来持っている不可測な部分や消しても消せない情念があることを自覚せよと、都会人に訴えかけているような気がします。

岩手・遠野「伝承園」
http://www.densyoen.jp/index.html

3ページ目 妖怪に出会える「とおの物語の館」

 

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