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幕末〜明治の血と涙に彩られた刀剣「和泉守兼定」。新選組・土方歳三が愛用した日本刀

新選組副長・土方歳三が愛用! 幕末・明治の血と涙に彩られた刀、和泉守兼定

日英同盟の献上品として

慶応4(1868)年に会津戦争が勃発しました。会津藩の降伏後、清右衛門は藩命によって越後国加茂に移住して作刀を始めました。

これは戦後に、清右衛門が戦争協力者として明治新政府から睨まれていたことを考慮した方策とも取れます。この時に作刀した刀は神社に奉納されています。

明治9(1876)年に廃刀令が発布されました。清右衛門は福島県職員として奉職しました。以後も清右衛門は作刀を続けています。

明治25(1892)年には、皇太子(こうたいし。後の大正天皇)に作刀品を献上しています。日本の刀工の中でも、清右衛門がかなり上位の位置にいたことが窺えます。

明治36(1903)年に陸軍省から作刀の依頼が舞い込みます。日英同盟締結の記念として、英国王室に献上する刀を製作するという大役でした。清右衛門は上京して取り掛かりますが、2ヶ月ほどで急死してしまいました。享年67歳。

刀剣は未完成だと考えられていました。しかし近年になって刀の卓本が発見されています。完成品の行方はわかっていません。もしかすると、今もどこかで眠っているのかも知れません。

参考文献

杉浦良幸『知っておきたい日本の名刀』ベストセラーズ 20156

 

 

 

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