国宝・姫路城の主? 天守に隠れ住むという妖怪「おさかべ姫」の逸話:2ページ目
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おさかべ姫とは
姫路城が建つ土地は姫山と呼ばれる山の上であり、姫山には「刑部神社(おさかべじんじゃ)」といわれる神社が存在していたという。祭神は不明だが、城の神として崇められていた刑部神社は、姫路城建設に伴って場所を移した。
その後、城主となった池田輝政は姫路城の大改修を開始するが、その過程で姫路城で働く小姓が天守で女を目撃したり、誰もいないはずの夜中の天守から明かりが漏れていたりと、様々な怪異が頻発した。
1611年頃になると、輝政は病気で伏せってしまう。このことが決定打となり刑部神社の祟り説が城内に満映する。噂を恐れた家臣たちは高僧を呼び寄せ輝政の祈祷を行わせた。
すると、祈祷中の僧の元に若く着飾った女が現れ「祈祷を止めるように」と声をかけてきた。僧がそれを断ると、女は荒々しい鬼に姿を変え僧を殺して消えたという。
この逸話が「おさかべ姫」の由来であるとされる。
姫路城にまつわる逸話や怪談は1677年に発行された「諸国百物語」や1779年に刊行された「今昔画図続百鬼(こんじゃくがずぞくひゃっき)」などに認められる。
現在の姫路城
おさかべ姫の騒動以降、祟りを恐れた池田家は城内に「刑部神社」を建立し刑部大神を祀った。現在でも、姫路城大天守の最上階に存在し参拝することが可能だ。
「不戦の城」と呼ばれ、築城以来一度も大きな戦火に巻き込まれることのなかった姫路城。5層7階の大天守と東、西、乾の小天守が渡櫓で連結された連立式天守は、息を飲む圧巻の迫力だ。
国宝の魅力を体感したい方はぜひ足を運んでみてはいかがだろう。もしかしたら「おさかべ姫」に会えるかもしれない。
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