アマビエだけではない!海坊主、神虫、神社姫など疫病を退ける不思議な妖怪や幻獣たち:2ページ目
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朝夕に拝めば病除けに!「ヨゲンノトリ」
ヨゲンノトリは、安政四年に加賀国に現れた、頭が二つある鳥です。
ヨゲンノトリは、次の年の八月、九月に世の中の人の九割が死んでしまう難が起こることを予言しました。そして、自分の姿を朝夜に拝み、信心すれば難を逃れることができると言ったといわれています。
疫鬼を頭からバリバリ!「神虫(しんちゅう)」
平安時代末期~鎌倉時代初期に描かれたといわれている辟邪絵(へきじゃえ)には、病をばらまく鬼である疫鬼(えんき)を捕まえてバリバリと食べる巨大な虫の姿が描かれています。
この虫は神虫と呼ばれており、病を退ける神を描いたものだといわれています。
昔から、疫病の流行は人の命を大量に奪うものとして恐れられていました。昔の人が少しでもその不安を和らげるために妖怪や幻獣の力を信じ、拝む姿は、現在のアマビエやヨゲンノトリがSNSで流行していることに通ずるものがあります。
未知の病に対する恐れは、昔も今も変わりありません。不安な気持ちを少しでも和らげて、感染症に打ち勝っていきたいですね。
参考文献:湯本豪一編『帝都妖怪新聞』角川ソフィア文庫 平成23年8月25日刊
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