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日本に憧れて…鎖国の江戸時代、日本に密入国し日本初の英語教師となった外国人の軌跡

日本に憧れて…鎖国の江戸時代、日本に密入国し日本初の英語教師となった外国人の軌跡

日本初の英語教育となる

嘉永元年(1848)9月16日に長崎へついたラナルドは長崎奉行所で取り調べを受けます。
その時に絵踏を行ったところ、最初は日本の悪魔と思い踏みつけ、2度目には何を踏んでいるのか理解しました。

しかし、ラナルドはプロテスタントだったので、躊躇わずに踏みつけたという逸話が残っています。

取り調べの後、座敷牢に入れられたラナルドが日本語や日本文化に少しながらも精通していることを理解した長崎奉行の井戸覚弘(いど-さとひろ)はオランダ語通詞に英語を学ばせることにしました。

ラナルドは14名の通詞に座敷牢ごしで英語を教えました。英語の教育はオランダ経由で以前から行われていましたが、オランダ訛りの強い英語だったので母語話者による英語教育はラナルドが初めてになります。

嘉永2年(1849)にラナルドは強制的に帰国しましたが、ラナルドの教えと英語はきちんと残り、教え子だった森山栄之助(もりやま-えいのすけ)はペリー来航の際にペリーの通訳を務める活躍をしました。

そして小石川に英語塾を開き、ラナルドが教えてくれたことを次世代に伝えていったのでした。

最後に

危険を冒してまで、祖先の地と信じてやまない日本に来たかったラナルド。密入国であれ日本に滞在し、多くの日本人と交流し、英語を教えた時間はラナルドにとって格別の時ではなかったのではないかと思います。

約1年間という短い時間でしたが、日本初の英語教師といて多くの日本人に影響をあたえたので、永住していたらより多くの功績があったのかもしれませんね。

 

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