そもそも”売るもの”が違います。「芸者」と「花魁」を見分ける方法とは?:2ページ目
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帯を結ぶ場所
花魁といえば、大きくて華やかな帯を前結びにしているのが特徴です。
その理由は、花魁の格の高さを表す豪華な帯の最も豪華な部分を見せつけるためだったとも、花魁に「一夜妻」という意味合いがあることから、本来は既婚者の印だった前結びをしていたともいわれています。
しかし、同じように豪華な帯を締める芸者は、帯を前結びにすることはありません。京都の舞妓さんも、華やかなだらりの帯を締めていますが、結んでいる場所は後ろです。
このことは、江戸時代初期には既婚者が前結び、未婚女性が後ろ結びだった女性の帯が、「前結びは邪魔になる」という理由で時代とともに前結びが廃れ後ろ結びに移行していったことを考えると、納得できます。
芸者は踊りや楽器を披露するのが仕事ですので、もし大きな帯が前側に結んであったらそれらの邪魔になってしまいますよね。
着物の裾を持つ手は右か左か
芸者も花魁も、「お引きずり」と呼ばれる裾が長い着物を着て、外を歩く時は裾をからげて手で持ちます。このとき、着物の裾の端の「褄(つま)」を持つ手が、芸者は左手、花魁は右手です。
左手で褄を持つと襦袢の合わせ目から手を入れることができなくなるため、芸者は「芸を売るが、色は売らない」ということで、このようになっているのです。
芸者を「左褄」と呼んだり、芸者になることを「左褄を取る」と言ったりすることがありますが、その由来もここにあります。
花魁は色を売るのが仕事ですから、逆に右褄を取っています。また花魁の衣装が元々意味していたといわれる花嫁衣装も、右褄を取るのが一般的です。
参考:Studio七色「花魁と芸者(芸舞)はどう違うの?」
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