信長だけが織田じゃない!マイナー織田家に仕えて信長に対抗した戦国武将・角田新五【下】:2ページ目
かつて敵対した信勝に仕える新五、そして守山城主に返り咲いた信次
かくして主君・信時と坂井一族を討ち果たした新五でしたが、その後の展望についてはあまり計画していなかったようで、大穴が空いた状態の守山城に立て籠もったところで勝算はありません。
そこで仕方なく、前に敵対した信勝の家老・林佐渡守秀貞(はやし さどのかみひでさだ。林通勝)に庇護を求めました。
「恥を忍んでお頼み申す……」
(……ちょwwwおまwwwいっときの嫉妬に狂って後先考えずに城に大穴をあけて主君を殺すとか計画性なさすぎwww)
秀貞は間違いなくそう思ったことでしょうが、主君・勘十郎信勝が信長と争っている今、手駒に使えると判断して新五を味方に引き入れます。
「勘十郎様のお気持ちも解りますが、あの角田めはそれなりに戦も上手(うも)うございます故、三郎(信長)殿を倒すまでは、利用してやりましょう……」
「……まぁ、佐渡がそこまで申すなら……」
という訳で、今度は信勝に仕えることとなった新五ですが、対する信長の方では、信時を殺されたことについて、あまり怒ってはいなかったようで、新五を罰する旨の命令は出していません。
その理由については諸説ありますが、信長は守山城主に任じたものの、異母弟である信時を疎んじており、新五が手を下してくれてむしろラッキーくらいに考えていた可能性もあります。
ともあれ、信長は放浪していた叔父・信次を呼び戻して以前の(家臣が秀孝を殺した)罪を赦し、再び守山城主にあてがったという事です。