なぜ「エイプリル・フール(万愚節)」は4月1日に?まるでジョークのような諸説を紹介:2ページ目
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みんなで舁ぎ、舁がれて……ワハハと笑おう四月馬鹿
そんな中、日本にエイプリル・フールの習慣が伝わったのは大正~昭和期とされ、当時の新聞には、こんな記事が掲載されました。
「かついで舁(かつ)がれて ワ・ハァハァ(※実際の紙面は踊り字)と笑ふ『四月の馬鹿(エプリル・フール)』が訪れる」
わが國で俗に「四月馬鹿」とか「万愚節」とか譯されてゐるエプリル・フールは、厳格にいへばApril Fools’DayまたはAll Fools’Dayであつて、この四月一日に舁(かつ)がれたものがApril Foolなのです、この万愚節の起源については、随分議論もありますが、昔、一般に賑はつた春の彼岸祭り(舊い新年即ち三月廿五日にはじまつて四月一日に終る)に由来するものであらうとされてゐます。一體(いったい)、米國人は笑話を好むこと、笑話を作ること、恐らく世界一でせう、從つて、こんな万愚節の如きを見のがすはずがありません、この四月一日はどんなウソで舁(かつ)がれても腹を立てるのは野暮だといふのが不文律で、子供も大供(おおども。大人)もお互(たがひ)に舁(かつ)ぎ合ひます
※「大阪毎日新聞」昭和七1932年3月31日付
舁(かつ)ぐとは「担ぐ」に通じ、お神輿のように「ヨイショ」して=おだてて騙すことを言います。エイプリル・フールの嘘は人を楽しい気分にさせるのが目的ですから、騙して楽しい、騙されても楽しい、みんなが楽しくなれる嘘でなくては野暮というもの(もちろん、騙されて怒るのはもっと野暮です)。
何かと暗く、世知辛い世の中だからこそ、気の利いたユーモアで明るい新年度を迎えたいものですね。
※参考文献:
PHP研究所 編『今日は何の日-話のネタ365日』PHP研究所、2001年5月
ひろさちや『やじうま歳時記』文藝春秋、1997年2月
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