戦国の世も妻は強し!戦国時代、泥酔した夫に代わり甲冑姿で城を守り抜いた妻の武勇伝:2ページ目
武田が本気で攻めてきた!
……そして泥酔。今回はいつにも増して酔いが深く、妻がいくら起こそうとしても、一向に目を覚ましてくれません。
「あなた!敵襲にございますよ!」
「う~ん、むにゃむにゃ……」
しかも折悪しく、今回の敵将は武田二十四将の一人・山縣昌景(やまがた まさかげ)。天下に武名を轟かせた精鋭部隊「武田の赤備(あかぞなえ)」を率いて本気で攻め込んで来たのでした。
「おのれ諏訪部、此度こそは……!」
これまでにない猛攻撃が押し寄せる中、それでも定勝は目を覚ましません。
「御台所様、早くご下知を!」
「あなた、あなた……!」
もうこうなっては仕方ありません。まだムニャムニャ言っている定勝をほっ転がして、妻はいつも通りの甲冑姿で陣頭に立ったのでした。
「御台所様、あちらの守りが破られてございます……!」
「分かりました!うぉりゃあ……っ!」
遠山氏は薙刀を手にとって戦線へ急行、男勝りの大立ち回りを演じて、どうにか武田勢の撃退に成功したそうです。