床上手だけでは不十分!江戸吉原の花魁は客をつなぎ止めるために高い教養が求められた:2ページ目
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博識なエリートたちと対等に話せる芸事・文学などの知識
また花魁の客となる身分が高く粋な男性たちは、花魁に性的サービス以上に「対等な話し相手」としての役割を求めることが少なくありませんでした。
そのため彼女たちは茶道・華道・将棋・お琴・和歌、さらには古典文学や漢詩など、上流階級のお姫様並みの教養や芸事を身につけていました。
当然のことながら、これらのスキルは一朝一夕で身につけられるものではありません。
そこで花魁候補の「禿(かむろ)」と呼ばれる少女たちは、妓楼で小さなころから徹底的にこれらを仕込まれていたのです。
客を本気にさせる「手練手管(てれんてくだ)」
売れっ子の花魁になるには、客に自分のところへ足繁く通ってもらわなくてはなりません。そのため客に「ひょっとして自分だけは彼女の『特別な存在』かも…」と思わせる「手練手管」を身につけることが必要でした。
これには客への手紙や言葉のかけ方の他に、客に「あなたにだけは本気で惚れてしまったの」と伝えて自分につなぎ止めるための「心中立て」も含まれました
とは言っても、遊女は毎日何人もの客を相手にしているわけですから、本当にいちいち本気になっていてはそれこそ身が持ちません。
「疑似恋愛」「恋の駆け引き」も、粋な客はちゃんと「吉原での遊びの1つ」と心得ていたようです。
いかがでしたでしょうか?
現在のトップアイドル並みの人気と憧れを集めたトップの花魁になれたのは、遊女の中でもほんのひと握りだったことが伺い知れますね。
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