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謎に包まれた死。幕末の美男役者・八代目 市川團十郎はなぜ32歳で自殺したのか?その4

謎に包まれた死。幕末の美男役者・八代目 市川團十郎はなぜ32歳で自殺したのか?その4:2ページ目

死にいたる経緯

こうした真っすぐすぎる性格や、前回までに紹介してきた生い立ちや境遇の複雑さが、彼が死にいたる経緯の根底にあったと考えられます。それらを踏まえた上で亡くなる前の彼の行動をできるかぎり追ってみましょう。

嘉永7年(1854)5月15日からの市村座五月狂言の後、関西に拠点を移していた父から名古屋公演に出てくれと泣き付かれてしまいます。義理堅い8代目團十郎は江戸の座元や贔屓筋に断りもなく勝手な契約はしたくなかったものの、しぶしぶ7月に名古屋の舞台をつとめる事になりました。

彼の嫌な予感は的中、名古屋の興行中に問題が発生。名古屋の舞台が終わったら次の江戸での舞台のためにすぐに帰るはずだったのに、膨大な借金を抱える父が勝手に8月は大坂で親子共演興行を行う契約をし、お金を受け取ってしまっていたのです。

その裏では、父の妾が糸を引いていたとか・・・。

【最終話に続く】

 

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