この世でもっとも恐ろしい!歳月を経た古女房が「山の神」とされる理由とは?:2ページ目
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一、 神の依り代である蛇が男性器の形をしているから
蛇はその生命力と脱皮する生態から、死と再生を象徴する神格を与えられてきました。そして頭部が男性器を連想させる形状であることから、それを依り代として好む神様は女性に違いない……そう考えられたのかも知れません。
現代でも各地に男性器を模した御神体を祀る習俗が伝わっており、信仰深い人々が豊穣や繁栄を祈り続けています。
一、 山が女人禁制だったから
かつて山は女人禁制とされ、女性が山に入ると祟りがあるなどと言われますが、これは山の神様が女性で、こと美しい同性に対して嫉妬するためと考えられました。
逆に山の神様は醜いものが好きなようで、猟師や樵(きこり)たちが山に入る際は醜い顔の虎魚(オコゼ)をお供えしたり、お守りにその干物を携帯したりしたそうです。
まとめ
山の神様は豊かな実りと共に、恐ろしい祟りもなす気まぐれで極端な両面を併せ持ち、それが女房の有難みと恐ろしさに喩えられたようです。
また、山の事故で亡くなることを「山の神に愛された」とか「魅入られた」などと言いますが、彼女の愛情があまりに激し過ぎたのかも知れません。
「さわらぬ神に祟りなし」とはよく言ったものですが、山の神様はさわらなきゃさわらないで祟られますから、どうか熱心に信仰を奉げ、末永く幸(さきわ)いますように。
参考文献:
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