なんという美しさ!着物の分野における人間国宝の、息を呑む宝のような作品まとめ
人間国宝(にんげんこくほう)… 文部科学大臣が指定した重要無形文化財の保持者として各個認定された人物を指す通称。
日本の伝統的な文化として、そして固執した概念にとらわれない人たちを中心に、最近ではカジュアルな普段着として本来の楽しみ方も広まりつつある、着物。
着物に関連した技術者の中にも人間国宝に認定された方々が多くいらっしゃいますが、今回は着物の分野において人間国宝となった方々をステキな作品とともにまとめて一挙ご紹介します。
今回紹介するのはほんの一部。他にもまだまだ重要無形文化財の保持者の方々がいますので、今後も引き続きまとめていきます。皆さんからの情報もお待ちしています!
小宮康孝
小宮康孝(こみややすたか)。江戸小紋で人間国宝。画像は「重要無形文化財江戸小紋 節句模様着物」。「牛若丸と弁慶」のおはなしをモチーフに五条大橋の欄干、弁慶の長刀、牛若丸の扇が図案化されています。
出典:銀座 かわの屋
稲垣 稔次郎
稲垣 稔次郎(いながきとしじろう)。絵染の人間国宝・染色作家、稲垣稔次郎
出典:稲垣 稔次郎の世界 | 着物・和服のきもの創り 玉屋|銀座・福岡・大分・九州で高級着物・高級呉服・和服・染物を販売
千葉 あやの
栗駒正藍染(くりこましょうあいぞめ)は栗原市栗駒文字の千葉家に伝わる藍染めで、日本最古の藍染め手法。
現在は3代目の千葉まつ江さんが姪の千葉京子さんとともに大切に伝統を受け継いでいます。
芹沢銈介
芹沢銈介(せりざわ けいすけ)。重要無形文化財「型絵染」の保持者で、芹沢氏の代表作である「いろは文様」は色あせることのない普遍的な芸術性を感じます。
森口邦彦
森口邦彦(もりぐちくにひこ)。重要無形文化財「友禅」の人間国宝。
この着物どこかでみたことあるような。2014年にリニューアルした三越のショッピングバッグの柄のもとになった着物です。
鈴田滋人
鈴田滋人(すずたしげと)
木版と型紙を併用する「木版摺更紗(もくはんずりさらさ)の人間国宝。製法の核となる部分は「比類なき秘法」として「口伝に譲る」とあったため、実際に行われていた秘法は解明できませんでしたが、研究を重ね、ついには復元されました。
出典:無形文化財|文化庁
鎌倉芳太郎
鎌倉芳太郎(かまくらよしたろう)。
1973年「型絵染」人間国宝に認定。沖縄の美術工芸を研究しました。
写真の帯は紅型の技法で染められたものだそうです。亀甲の地紋に小花が可愛らしい。引いて見ると一部の小花の周りの地紋が薄くなっていて大きな花が浮き上がってきます。
志村ふくみ
志村ふくみ(しむらふくみ)。
志村ふくみさんといえば、国語の教科書に掲載されていた、桜の樹皮から桜色を染め出すお話を思い出します。
写真の着物は「光の湖」という美しいタイトル。水面に輝く光が表現されています。
羽田登喜男
羽田登喜男(はだときお)。
羽田登喜男の友禅染は加賀友禅と京友禅を調和させた友禅。おしどりをあしらった作品がよく知られています。
出典:石川新情報書府 - 百万石文化のあらまし - 百万石の今昔 - 巨匠 - 羽田登喜男 - 友禅訪問着「群鴦錦秋」(ゆうぜんほうもんぎ「ぐんおうきんしゅう」)
二塚長生
二塚長生(ふたつかおさお)。
色地に糊防染のみで模様を白く表わす技法は、江戸時代には「白上げ」と呼ばれ、 染めの技法としては最も基本的なもの。大胆に波模様が描かれています。
木村雨山
木村雨山(きむら うざん)
加賀友禅の染織家。友禅の技法に加え、日本画も学び、作品の中に日本画の技法を匠に取り入れました。
友禅赤地吉祥門振袖。まさに絢爛豪華。