朝ドラ「ばけばけ」ヘブン先生の“想い人”は史実ベース——イライザの実在モデルの壮大すぎる生涯!
朝ドラ「ばけばけ」には魅力的なキャラクターが数多く登場します。
その中でレフカダヘブン先生の想い人として登場するのがイライザ・ベルズランド(演:シャーロット・ケイト・フォックス)です。
実はイライザにはモデルがいました。
明治時代、女性として世界一周を果たしたエリザベス・ビスランドです。彼女はレフカダヘブンのモデル・小泉八雲とも親交があり、その関係性はドラマにも反映されています。
エリザベスは、どのような夢を抱き、どのように生きた人物だったのでしょうか。
エリザベスの生涯について見ていきましょう。
南部生まれのジャーナリスト
1861年2月11日、エリザベス・ビスランド(Elizabeth Bisland)は、アメリカ南部ルイジアナ州セント・メアリー郡フェアファクス・プランテーション(大規模農園)で生まれました。
父はトマス・シールズ・ビスランド、母はマーガレット・ブラウンソンです。一家はプランテーションを営んでいました。
しかしときは南北戦争期になると、この地域は戦場となります。
エリザベスの一家は戦いの前に屋敷を逃れて疎開。避難生活を送らざるをえませんでした。
戦後に屋敷へ戻ったものの、生活は厳しくなります。
エリザベスが12歳のころ、一家は父方の本家があるナチェズ(現ミシシッピ州ナチェズ)へ移ります。
この「一家の没落」とも言える体験は、後年の彼女の文章に見られる、どこか冷静で物悲しい視線につながっていきます。
エリザベスは、10代のうちにニューオーリンズの新聞社「ニューオーリンズ・タイムズ・デモクラット」へ詩を「B. L. R. Dane」の筆名で投稿を開始します。
やがて、その詩の作者が若い女性であることが編集部に知られると、彼女は正式に原稿料を支払われるようになります。
ほどなくして、エリザベスはニューオーリンズへ出てニューオーリンズ・タイムズ・デモクラットで働き始めます。
同社には、ラフカディオ・ハーン(のちの小泉八雲)がおり、文筆家としても親交を深めました。
南部のプランテーション出身の女性が、自らの筆一本で生計を立て始める。この選択は、当時としてはかなり先進的なものでした。

