江戸浪人たちの内職「傘張り」はどのくらい稼げた?収支をリアルに計算してみたら…
時代劇などでよく見る、浪人の傘張り内職。ほかに仕事はないのかと思うくらいに強く印象づけられたものでした。
ところで傘張り内職は、どのくらい稼げたのでしょうか。実際に傘張りで生活して行けたのかも気になるところです。
今回は江戸時代の浪人たちが勤しんでいた傘張り内職について、その収支を調べていきましょう。
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必要な道具や材料の調達
傘張りの内職を始めるには、まず必要な仕入れをしなければなりません。
傘張り内職の道具
- 糊を塗る刷毛(はけ)
- 糊を入れる箱
- 張った油紙を切る小刀
最低限このくらいあれば、傘張りはできるでしょう。
傘張り内職の材料
- 傘の骨組み(廃品を回収)
- 傘に貼る油紙(購入)
- 油紙を貼る糊(米粒などで自作?)
- その他(簡易補修)
傘の骨組みは破損や摩耗の度合いによって価格が異なり、概ね一本4〜10文(1文25円として約100〜300円)で仕入れたそうです。
※傘の骨組みを自作するのは職人技であり、業務効率が悪すぎるため、ここでは除外します。
ほか油紙や糊などの原価はまちまちなので、ここでは仮に、骨組みも含めたトータルで売上の20パーセントに収まるよう調整したものとしましょう(要するにケースバイケース)。
これで仕入れはひとまず完了しました。厳密には、後で割り出します。

