一枚の紙に気持ちをこめる、熨斗紙
熨斗(のし)を選ぶことってそう日常的にあることではありません。
お中元とかお歳暮の熨斗だったりとか、結婚・出産の内祝い。あとは不祝儀くらいでしょうか。
滅多に使う機会はないけど、使う時に失敗が許されないのが熨斗です。間違ったときに間違った熨斗を使ってしまっては、そんな気は無いのに失礼になってしまうことも・・・・・・。
日本の気遣いのかたちですから、スマートに選べるようになりたいですよね。
何度もあって良いお祝いか、1回こっきりが良いお祝いか
熨斗を選ぶ時に一番困るのが水引の種類ではないでしょうか。お葬式関連以外は紅白を選ぶ、ここまでは正解なのですが、結び方にいくつか種類があります。
10本結びきり → 結婚のお祝い
5本結びきり → 主に快気祝い
花結び → 何回あっても嬉しいお祝い
大まかにわけるとこういうふうに使い分けます。
結婚のお祝いはすごくめでたいことですが、できれば人生で1度きりのお祝いであって欲しいですよね。ですから、結び目がほどけないようにきゅっとなっている結びきり。しかも人生でも一番と言っていいくらいの喜びごとですから、豪華に水引も10本使っちゃいます。
快気祝いもできれば1回が良いですよね。再発してまた入院して・・・なんてことはイヤなので、結びきりです。嬉しいことではありますが、結婚式みたいな豪華なお祝いではないので水引は5本です。
そして花結びはほとんどそれ以外の全部といっていい場面で使われます。様々なご挨拶はもちろん、出産祝いや新築祝いなどなど。蝶結びの結び方なので、何度でもほどいて結びなおせるということで、何回あっても良いお祝いに使われます。
仏事の熨斗は本当は「掛け紙」
熨斗というのは、実はあの紙のことを指すのではありません。水引が掛かっている絵が印刷されていて、その右上あたりに印刷されているもの、あれが熨斗です。そのため、あれが印刷されていないものは、正式には熨斗ではなく掛け紙といいます。
例えば仏事の際に使う白黒のものなどがそうです。
ちなみに、仏事の際の表書きは薄墨で書きます。グレーの色なのですが「悲しくて涙が止まらなくて、墨をすっても涙で薄まってしまいました」というような意味だそうです。
上手に熨斗を使えるように、知っておきたい大人のマナーです。