旧暦が生きる都市・京都で過剰に盛り上がる、本来の年越し・節分
京都はいろんなところで旧暦のタイムテーブルが生きていて、お盆や七夕、雛祭なんかも旧暦仕様で行われることが多いんですが、それと同じような流れで、節分もかなり盛り上がります。旧暦では大晦日にあたったという、節分。いわば年越しであり、それこそ正月と同等、下手するとそれ以上の盛り上がりがあちこちの寺社で展開されてるわけです。
最もネイティブで、かつ最も大規模な集客があるのは、京大近くの吉田神社でしょう。鬼が登場する追儺式、SFセットの如き巨大な火炉を燃やす火炉式、そして無限に続くような露店。混雑と熱気も凄いですが、それと同時に何ともいえない独自の空気が漂ってるのが、味。
東の節分代表が吉田神社なら、西の代表は壬生寺。重要無形民俗文化財である壬生狂言の演目「節分」が一日中無料上演され、厄除けの「ほうらく」を売るこれまた超ネイティブな露店が並びます。
花街に近い八坂神社と北野天満宮では、舞妓はんや芸妓はんが登場。八坂神社にはもちろん祇園の、北野天満宮には上七軒の芸舞妓はんが現れ、豆まきなどをしてくれます。舞の披露などもあり、また北野天満宮では茂山社中による追儺狂言奉納も。
鬼が登場するところでメジャーなのは、廬山寺の鬼踊りでしょうか。鬼の迫力と踊りの面白さ、いずれも高い人気が頷けるものです。他にも聖護院などいろんなところで鬼は暴れまわりますが、意外と知られてなくて、かつ凄まじいインパクトを誇るのが、藤森神社。夜に照明+音響バリバリで行われる追儺式では、ほとんど特撮ショーさながらのエンタメ路線炸裂な鬼の暴れぶりが楽しめます。
一日で見て回るのはとても不可能なくらい、過剰な充実ぶりをみせる京都の節分。旧暦が生きる都市での本来の年越しを、楽しんで見るのもいいんじゃないでしょうか。