江戸時代〜明治時代に描かれた日本画や浮世絵には骸骨、髑髏(ドクロ)が描かれた作品が数多く存在します。
日本画や浮世絵は比較的美しさを評されることが多いですが、骸骨や髑髏を描いた作品にも今見ても画力のレベルの高さに圧倒されてしまう作品が多数あります。
今回はあまりまとめられることのない骸骨、髑髏が描かれた日本画、浮世絵を紹介します。
【相馬の古内裏】 歌川国芳
歌川国芳の作品。1845年頃の非常に有名な1枚。描かれているのは、平将門が討ち取られたあと、その娘とされる滝夜叉姫が呼び出した骸骨の妖怪です。
【百物語 こはだ小平次】葛飾北斎
小幡 小平次(こはだ こへいじ)は、江戸時代の伝奇小説や歌舞伎の怪談物に登場する歌舞伎役者。女房の浮気相手に殺された小平次が、不義密通する二人を蚊帳の上からのぞき込む場面。
【地獄太夫】小林清親
右は絞り手ぬぐいをかぶった骸骨が囃子に合わせて踊っています。左幅では骸骨の客が喝采を。
via: 地獄太夫の絵について。
【国芳もやう正札附現金男 野晒悟助】歌川国芳
歌川国芳お得意の寄せ絵。猫を寄せて長着のデザインが髑髏に。
名称作者不明:骸骨2人がピクニック
骸骨2人のピクニック。作者不明。明治時代、19世紀後期のもののようです。
「美女の袖を引く骸骨たち」河鍋暁斎
女性にたかる骸骨の中にシルクハットをかぶった骸骨がとてもユニーク
「源頼光公館土蜘作妖怪図」歌川国芳
国芳作品。小さいですが様々な妖怪の中に髑髏が紛れ込んでいます。
「絹本著色 観花(かんか)」竹内栖鳳
竹内栖鳳(たけうちせいほう)(1864~1942)という日本画家の作品。立ち姿がどこかセクシー。
「清親放痴 東京谷中天王地」小林清親
最後の浮世絵師、明治の広重と評されることもある版画家 小林清親の作品。犬?猫?まで髑髏姿なのがまたおもしろい。
「新撰東錦絵 一休地獄太夫」月岡芳年
月岡芳年による 一休と地獄太夫。一休が髑髏を竹にさして太夫のもとに。
「新形三十六怪撰 地獄太夫悟道の図」月岡芳年
こちらも月岡芳年。地獄太夫の後ろにうっすらと漂う髑髏たち。
「平清盛福原にて怪異を見る図」歌川広重
平治の乱で勝利した清盛に武士の怨霊が髑髏となって襲いかかる図。よく見ると雪景色が髑髏になっています。
「和漢豪気揃 髑髏」月岡芳年
月岡芳年による作品。髑髏の表情が実に漫画チックです。
「15人の髑髏(仮)」作者不明
作者不明のユニークな作品。髑髏がそれぞれ音楽を奏でたり茶をたてたり…。
「月下竹林骸骨行之図」作者不明
こちらも作者不明の日本画。灯籠を片手に不気味な表情を浮かべています。
「髑髏と蜥蜴」河鍋 暁斎
髑髏を描いた作品の中では結構人気の高いであろう作品。この怖さ、河鍋暁斎節が炸裂です。
「野晒図」伊藤若冲
伊藤若冲による髑髏。伊藤若冲が髑髏を描くのは珍しいかもしれませんね。
勝川春章が浮世絵で描いた髑髏「岩井半四郎と市川団十郎」
いかがでしたか?骸骨、髑髏が描かれた日本画、浮世絵。おどろおどろしい髑髏からひょうきんでユニークな髑髏まで、画のタッチは様々ですがどれも画力のレベルの高さを感じる作品ばかりです。
他にも骸骨、髑髏が描かれた作品はあると思いますので、知っている方は是非教えてくださいね。