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米朝ロイド、大阪に立つ

米朝ロイド、大阪に立つ

天神祭で沸き返る大阪に、「米朝ロイド」が現れました。

「米朝ロイド」といっても、某米朝関係で揉め続ける両国が仲直りして、ロボットを共同開発したというわけではありません。あるいは、その某米朝関係を力づくで解決する汎用ヒト型決戦兵器が現れたという話でもありません。そんなのは面白くないし、面白くない前に物騒です。

「米朝ロイド」とは、かの人間国宝の落語家・桂米朝さんにそっくりな「米朝アンドロイド」のこと。略して、「米朝ロイド」。声だけでなく、顔も体も動きも、全身で人間国宝の至芸を完全コピーしてしまうという代物であります。米朝さんの米寿を記念して製作されました。

桂米朝。「上方落語中興の祖」です。演者としての素晴らしさはもちろん、その至芸をメディアを通じてお茶の間に定着させた点でも、知られます。米朝さんが登場するまで、上方落語は衰退し滅びかけていたというのだから、その功績の大きさは計り知れません。また「米朝文庫」と呼ばれるほどの蔵書を抱え込み、演目が生まれた当時のリアリティをつかむアーキビストとしての顔さえ持つ人物であります。

米朝さんはまた、後進の育成にも大きな足跡を残してます。異能中の異能、芸人の業がそのまま人格化したような存在であり、松本人志が最大限のリスペクトを払う、桂枝雀。中学校卒業と同時に米朝に弟子入りし、師匠と落語へ愛情を常に語り続ける桂ざこば。そして、ここにはちょっと書きづらい内容の「嘆きのボイン」なるヒットを持つ、月亭可朝。幅があり過ぎるメンツに、米朝さんの器の大きさが伺えます。

「米朝ロイド」を開発したのは、アンドロイド開発の第一人者である大阪大学・石黒浩教授と、ハリウッドでも活躍する特殊メイクアーティストの遠藤慎也さん。米朝さんの過去の録音「看板の一」と「たけのこ裁判」に合わせ、口・手・まばたきなどをモーターで制御。記者会見に集まった報道陣はその口演の精巧さに息を呑んだそうです。もっとも、目の前で自分の「生き写し」を観た米朝本人は「ちょっと嫌やなあ」とこぼしたそうですが。

「米朝ロイド」は、8月1日から大阪市北区のブリーゼプラザでの「米寿記念桂米朝展」で一般公開。

桂米朝 米寿記念・桂米朝展,米朝一門夏祭り 株式会社米朝事務所

 

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