「徒然草」に登場するフリーダム和尚がとある僧侶につけたあだ名「しろうるり」とは?:2ページ目
「しろうるり」って、何なんだ?
さて、前置きはこのくらいにして、そんな盛親僧都がある日、ある僧侶を見かけて、こう言いました。
「あやつは『しろうるり』のような顔じゃな」
そばにいた者(以下「甲」とする)がその僧侶を見ると、なるほど言われてみえば、確かにそれっぽい顔をしているような気がします。
「えぇ、確かにそうですね」
甲は適当に話を合わせ、それきり「しろうるり」の話題で盛り上がることもなく、やがてその場を辞しました……が。
「ところで『しろうるり』って、何なんだ?」
知らないならその場で訊けばよかったのですが、何となく知らないと恥ずかしい気がしたし、そもそもあんまり興味もなかったので適当に流してしまった事を、甲はちょっと後悔しました。
こういうことは一度気になってしまうと気になるもので、甲は考え込んでしまいました。
「しろうるり……『しろ+うるり』なら『白うるり』だろうか、確かに色白でのっぺりして何となく瓜(うり)っぽい顔をしていたような気がするが、いやいや瓜じゃなくて『うるり』だから……あるいは『しろう+るり』だろうか……白う瑠璃(るり)?いやいや、それなら白き瑠璃だろう……どうしても一文字が邪魔だが、しかしあの顔は確かに『しろうるり』って感じだったし……(以下略)……」
などなど、延々と考え続けたものの答えは出ず、結局「聞くはいっときの恥……」と決心して、甲は翌日、盛親に訊いてみました。