超話題のNHK正月時代劇「家康、江戸を建てる」の予習!江戸の金の小判ができるまで(2)

小山 桜子

来年2019年のNHKの正月時代劇で放送される「家康、江戸を建てる」。直木賞作家の門井慶喜氏が原作の超話題作です。

三河を中心に勢力を拡大していた徳川家康は、豊臣秀吉の命で江戸を中心とする関八州を新たな領地とする事に。しかし実際に赴いてみると「江戸」は飲み水を確保するにも苦労するような海辺の泥湿地でした。ここからいかにして家康は八百八町華の大江戸の基礎を造り上げたのか。

今回もドラマを見るのに役立つ「小判」の知識をわかりやすく解説します。これまでの予習はこちら。

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家康が小判を造らせたわけ

京都で長年大判づくりを学んだ有能な金貨職人・橋本庄三郎(一説に姓・山崎)に家康が命じたのは、「大判はつくるな。小判をつくれ」という内容でした。小判というのは、要するに大判のミニチュア版。家康がなぜそれをつくれと命じたかというと、小判が出来れば、大判なんか要らなくなると考えていたからです。

カギは、小判の「利便性」にありました。

前回お伝えしたように大判は大金すぎて市場にはほとんど流通していませんでした。そこに「持ち運びに便利なサイズで、額面価格も小さく市場で使いやすい金貨」つまり「小判」が登場すればたちまち大判はお蔵入り、小判が世の経済を回すようになるだろうという魂胆。さすがは家康、ブラックホール級の腹黒さ。彼は大判ばかり造っている秀吉の事を鼻で笑っていたのです。

2ページ目 武蔵小判の完成

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