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まさに移動式スーパー!江戸時代の移動販売「棒手振り」には社会福祉の役割もあった

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社会福祉事業の役割も?

ひと口に棒手振りと言っても生鮮食品だけでなく、様々な食品や道具類を売り歩いたり、時には修繕や不用品の買取などの出前サービスもしており、様々な職種の人がいました。

また、棒手振りは江戸時代を扱った時代劇や落語などでは、いなせな男性が売り歩いている印象はありますが、本来は15歳以下の子供や50歳を超えた年配者、身体障碍者など社会的な弱者を救済するために幕府が認可した仕事でした。

しかし、残された絵などには子供や老人には見えない人もいますし、おでん屋さんから鈴虫を売り歩く商人になった人もいたりと、抜け道もかなり多かったと思われます。事実、江戸庶民が棒手振りを当てにしていたため、幕府もうるさく取り締まらなかったのでしょう。

街の名物にもなる移動式スーパーである棒手振りの背景には、江戸に多かった労働者による需要に応えるだけでなく、幕府による社会福祉事業としての役割もあったのです。

 

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