海坊主、船幽霊…向こうの世界に引き込もうとする、怨念たっぷりな海の妖怪たち:2ページ目
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船幽霊
海上で遭難して溺死した人たちの幽霊が、船幽霊です。人の形や船の形をしており、日本だけでなく世界中の海に棲息していたそう。沈没船に乗って現れ、人間が乗っている船を沈めて自分たちの仲間にしようとするのだとか。なんだか、海坊主と似ていますよね。
団体で現れるのが特徴で、唐の鬼哭灘というところでは、船が通りかかると、禿頭で首なしの片手片足の、背の低い幽霊が約100人も現れ、船をひっくり返そうとしたとか!想像するだけでも、恐ろしいです。
海上で突然船が進みづらくなったり、不穏な空気になったら要注意。いつの間にか船幽霊に船のまわりを囲まれて、「柄杓を貸せ」と言われるのです。言う通りにすると、柄杓で海水をすくって船を水浸しにして沈められるので、底を抜いた柄杓を海へ投げつけた者もいたとか。
また、船幽霊に食べ物を与えると消えることもあったそうです。船幽霊の正体は、空腹のまま海の上で飢え死んでしまった人たちの霊なのかもしれません。
海坊主にしろ船幽霊にしろ、海にいる妖怪は、現実世界から向こうの世界に引き込もうとする怨念があるので、遭遇したくない類いの妖怪ですね。
参考文献:
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