『ブラッサム』良妻賢母に抗う同級生・角田忍に絶賛の声!その魅力や実在モデル、宇野千代との関係を考察:3ページ目
反骨心旺盛な忍が朗読する『青鞜』
家では父親が怒るから好きな本が読めないという珠に「どこの父親も専制君主じゃね」と言う忍は、親が勝手に縁談を決めたことに怒りを抱いていました。
「うちは嫌じゃ。自分のことなのになんで親に決められにゃいけんのじゃ」。なかなか反骨心がある女学生です。
きっぱりと言い切る忍を珠は羨ましがります。
突然、「原始、女性は実に太陽であった。真正の人であった。」平塚らいちょうの本『青鞜』を朗読し始める忍。
らいちょうは、女性解放運動家・思想家・評論家・作家などマルチな活動をした女性です。
「今、女性は月である。他に依って生き、他の光によって輝く、病人のやうな青白い顔の月である。さて、ここに「青鞜」は産声をあげた。」(『青鞜』日本ペンクラブ電子文藝館)
「なんべん読んでも震える。うちも、らいちょうみたいに、ものが言えたら!」と『青鞜』を抱きしめる忍。
忍を演じる木龍麻生さんは、インタビューで角田忍という役柄の魅力について…
「自分の信念だったり信じたいものを曲げられないというのは、私はとてもかっこいいと思います」(朝ドラ「ブラッサム」公式「X」)
まさに同感です。
珠の背中を押す忍の「あんたならかける」
「同人誌を作ろう!」
「自分にも意志がある。同人誌の中で好きなことを書くくらい、ええじゃろ」と、忍は仲良し同級生らに提案します。
一瞬目を輝かせて「小説を書きたい」と言いつつも「でも、どうじゃろ」と、迷う珠。
この頃、千代は文学の面白さに目覚めていたのですが、父からは雑誌や新聞を読むことを禁じられていたため、厠へ行くふりをして読んでいたそうです。(おいでませ山口へ「作家・宇野千代とは」)
思い起こせば、ドラマ初回。
昭和57年(1982)、加賀まりこさん演じる85歳の珠は、新聞記者の質問に答えて「思いついたらなんでも始めたくなっちゃうの!」と答えてましたね。
今のとまどいがちな珠とは、別人のようです。「父からの解放」で、変わっていくのかもしれません。
忍に『あんたなら書ける』と背中を押され、珠は小説デビューしました。
それぞれが思い思いの文章や絵を綴った同人誌『黎明』は、女性の地位向上をうたった忍の論文や、珠の小説「イワンの馬鹿」の主人公を女性に置き換え創作した物語が、同級生の間で話題になります。(学校側にバレて、捨てられてしまいますが)
表立って声を上げられなくても、実は良妻賢母教育に内心不満や疑問を抱いていた生徒も多かったのではないでしょうか。

