幕末の人斬り・岡田以蔵はなんと拳銃を所持!勝海舟を護衛!史実が語る“悲劇の暗殺者”の実像【後編】:2ページ目
2ページ目: 1 2
まさかの拳銃使い
さらに驚くべきことに、以蔵がフランス製のリボルバー、つまり回転式の拳銃を所持していたことも確認されています。
「剣一本で暗殺を請け負った」という昔ながらの刺客のイメージは、ここでも覆されるのです。
結論を言えば、特に司馬遼太郎の小説に描かれる岡田以蔵の姿は史実とは大きく異なっており、もはや同姓同名の架空の人物と考えるべきなのかもしれません。
本当の岡田以蔵は、郷士としての教養を持ち、武士としての役割を理解し、時には拳銃という最新の武器を使いこなしながら、政治の最前線で要人を守った人物でした。
家が貧しかったため教養がなく、そのために「汚れ役」を押し付けられた揚げ句に裏切られて処刑された悲劇の暗殺者……。そんな単純なレッテルだけでは、彼の本当の姿を到底捉えることはできないのです。
※関連記事:
暗殺が横行した江戸時代の幕末に「尊王攘夷派の四大人斬り」と呼ばれた暗殺者たちの末路【前編】
幕末は暗殺が横行した時代。特に有名だったのが、「尊王攘夷派の四大人斬り」と呼ばれる四人の暗殺者でした。前半では、四大人斬りのうちの二人、「田中新兵衛」と「河上彦斎」の末路について紹介…
参考資料:浮世博史『くつがえされた幕末維新史』2024年、さくら舎
画像:photoAC,Wikipedia
ページ: 1 2

