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「べらぼう」大崎に“死”の宣告…なぜ計画を見破った?ラスボス・一橋治済の狂気に満ちた展開を考察【後編】

「べらぼう」大崎に“死”の宣告…なぜ計画を見破った?ラスボス・一橋治済の狂気に満ちた展開を考察【後編】:4ページ目

人通りの多い場所であえて大崎に「死」の宣告をする

祭り見学を満喫し動こうとしない治済に痺れを切らした大崎は、「浄瑠璃小屋へ早く行きましょう。人が少なくなっては目立ってしまいます。」と急かします。

のんびりした口調で「大崎。ひとつ気づいたことがあってなあ〜」と切り出す治済。怖いですねえ。「あの石橋(『一人遣傀儡石橋』のこと)、あれは『越中(松平定信)の字』だ。」と言います。筆跡でばれていたのですね。

「気がつかなかった」と誤魔化す大崎ですが、「ゆえに、浄瑠璃小屋でかくまっているのというのは、源内ではあるまい」と、治済は帰ろうとしました。

「せっかく、ここまで来たのですし」と引き止める大崎に「それもそうだなあ」といい「これを食してから行こう」と、先ほどもらった饅頭を大崎の口元に持っていき「そ・な・た・が・な」。まるでホラー映画のようでしたね。

毒といえば大崎。こういうケースも想定し、腹を括って出向いた気もします。

治済は、衆人環視の中で、なぜあえて毒饅頭を食べさせようとしたのでしょうか。治済は傀儡師。大勢人がいるなかで毒饅頭を差し出して食べろと命じても、今まで自分の操り人形だった大崎なら、絶対に従うという自信があった……と想像すると恐ろしいものがあります。

まさか草稿の筆跡で嘘を見破っていたとは

一方、浄瑠璃小屋の裏で治済を待っていた定信たち。仙太がもらって来たまんじゅうを食べた家臣たちは倒れて大騒ぎになりました。その場面と、笑いながら芝居町を去っていく狂気の治済が重なって怖かったですね。

謎の男は、外にいた耕書堂のスタッフにも饅頭を渡します。あわや、蔦重がそれを口にした瞬間、長谷川平蔵(中村隼人)が駆けつけて「食うな!」と制しました。そこに、口元から血を流しながら死んでいる大崎が板に乗せて運ばれていきます。

蔦重に、「あれは大崎。お前が会ったという立派な鼻の侍は傀儡師だ」と話す平蔵。蔦重を芝居小屋に連れてきて治済を始末するところだったと話ます。

役者の名前が書いていない饅頭は、復讐劇の関係者しか配られていない。つまり「お前らの計画は知っておるぞ」という治済の脅しでした。耕書堂の人間まで巻き込まれたことに怒る蔦重。

そこに、柴野栗山(嶋田久作)とともに現れた男が。治済にそっくりですが、おどおどした表情を浮かべている、この男の正体はいったい誰でしょうか。

そして、耕書堂で絵を購入した際お金を紙に包んで渡した大崎。その時に、蔦重から手を離さず訴えかけるような目をしていましたが、あの紙には何が書いてあったのでしょうか。

覚悟していた大崎は、あの紙に治済の悪事を暴露する内容を書いたような気もします。(予告には大崎がちらっと映り込んでいましたが。)

次回のタイトルは『饅頭こわい』。古典落語の演目の一つとして有名です。「傀儡に饅頭を食わせるってえのは…」という蔦重の声、治済の隣にいる徳川家斉(城桧吏)がお菓子を頬張る姿が。蔦重と定信の報復が始まるのでしょうか。

彼らの健闘を祈りつつ、次回を楽しみにしたいと思います。

 

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