「べらぼう」大崎に“死”の宣告…なぜ計画を見破った?ラスボス・一橋治済の狂気に満ちた展開を考察【後編】:3ページ目
噂が耳に入りラスボス登場
もちろん城内も「平賀源内生存説」の噂でもちきりになりました。そんな折、前回、11代将軍・家斉の乳母で一時身を隠していたものの、再度一橋に奉公したいと申し出てきた大崎(映美くらら)が、一橋治済(生田斗真)に「自分の元にこんなものが届いた」と『一人遣傀儡石橋』の草稿を見せます。
「これを書けるのは平賀源内しかいない。写楽という絵師が源内という噂がある、源内は浄瑠璃小屋に身を潜めているそう。確かめたほうがいい」と、提案しました。
松平側に寝返った大崎の嘘でした。尼寺に潜んでいたものの定信に見つかり命乞いのために治済を裏切る決心をしたのです。
その頃、耕書堂にはたくさんの客が押し寄せ、「源内が生きていたのか!」「源内を見かけたって人がいるぞ」と大盛り上がり。そこに滝沢瑣吉(滝沢馬琴/津田健次郎)が店先に駆け込んで、持ち前の大声で「源内が生きてるってまことか!!平賀源内はまこと生きておったのだ!!」と騒いでくれました。
「あいつはすぐに喋ってしまいそうだから」とチーム写楽には加われなかったものの、「噂を補強する広報マン」としていい働きをしてましたね。
なぜ定信たちの計画を見破っていたのか
大崎とともに芝居町に来て、耕書堂を訪れた一橋治済は、耕書堂に訪れて役者絵を購入します。
「主、写楽というのは、まこと源内なのか?」と聞く治済。
「さあ、どうでしょう?」と答える蔦重。
「あの戯作も面白かったぞ」と囁く治済に観ているほうはハラハラでしたが、蔦重は「どの戯作でございましょう?」と自然な笑顔。治済の顔は知らなかったのですよね。治済の「気づいているぞ」という宣戦布告だったのですが。
ここから、ラストまで怒涛の展開になりました。
浄瑠璃小屋の裏に潜み、治済を待ち構える定信アベンジャーズと家来たち。街中では長谷川平蔵の手下、磯八(山口祥行)と仙太(岩男海史)が目を光らせています。
そこで、仙太は祭りのスタッフのような風体の男に、大量のふるまい饅頭を押しつけられました。実は、本物のスタッフが盆に乗せて配っていたのは、包みに役者名前が入っているまんじゅう。盆を差し出しながら観客に選ばせています。
一方、その謎の男が配っていたのは、名前が書いていない包み。しかも自分から人に差し出してます。そして、男は治済の側を通りがかるとき、「どうぞ」と1個まんじゅうを手渡しました。

