横浜人の気質「ハマっ子三日」どういう意味?誰が最初に?言葉の起源をたどってみると…:2ページ目
終わりに・懐の深さと強烈な地元愛
今回は「江戸っ子三代・ハマっ子三日」の由来について調べてきました。元は「ハマっ子一日」だったのですね。
昔から神奈川県は東京をライバル視していると言われており、もしかしたらハマっ子たちに
「花のお江戸だ東京だと、お高く気取ってはいるが、結局はお上りさんの集まりじゃないか。その点われらが横浜は、日本全国ひいては世界中に開かれているぶんスケールが大きい!」
という自意識があったのかも知れませんね。
東京だって横浜以上に開かれていると思いますが、横浜には幕末期に江戸より早く開港したという自負など、東京に対するライバル意識があるのでしょうか。
♪わが日の本は島国よ 朝日かがよう海に
連りそばだつ島々なれば あらゆる国より舟こそ通え♪
♪されば港の数多かれど この横浜にまさるあらめや
むかし思えば とま屋の煙 ちらりほらりと立てりしところ♪
♪今はもも舟もも千舟 泊るところぞ見よや
果なく栄えて行くらんみ代を 飾る宝も入りくる港♪
※横浜市歌(作詞:森鴎外/作曲:南能衛)
【意訳】私たちの日本は島国です。朝日がキラキラ輝く海に、たくさんの島々が集まっている。世界中から船が入ってくるでしょう。
島国である日本にはたくさんの港があるけれど、横浜港より素晴らしい港はありません。しかし昔は粗末な小屋から、チラホラと煙が立ち上る寒村でした。
それが今は百隻も十万隻も船が停泊し、とても素晴らしい眺めです。果てしなく繁栄する日本を飾る宝のようではありませんか。
……郷土に対する愛情と誇りが、これでもかとばかりに謳われていますね。
横浜は開放的で懐の深い地域性が魅力です。みなとみらいに象徴される洗練された街並みも、自然豊かな田園風景も、一人一人に合わせた住みよさを実感できると思います。
皆さんも、ハマっ子になって横浜市歌を熱唱してみませんか?
※参考文献:
- 『朝日新聞縮刷版 昭和56年 11月』 朝日新聞社、1981年12月
- 『新人国記 2 香川県・長野県・神奈川県・熊本県・奈良県』朝日新聞社、1982年11月
